フラップ作成による合併症

レーシックの最大の特徴は、角膜上層部を一部残して円形に切り、フラップと呼ばれるフタを作り、その内部を削った後に元の位置に戻すという点です。レーシック以前の主流であったPRKなどのフラップを作らない手術では、レーザーで削った施術部分が露出するために、強い痛みを感じましたが、レーシックではフラップを被せてしまうため、痛みがほとんどないとされています。また、視力が早期から安定するのも、フラップを作る術式によるところが大きいようです。
このフラップは、レーシックの特徴であり利点を生むものでもあるのですが、同時にフラップを作るが故の合併症も生み出します。フラップを作ることで危険性の生まれる主な合併症は、以下の通りです。
ボタンホール
フラップを作る際に薄すぎるフラップを作ってしまうと、真ん中に穴の開いたフラップができることが稀にあります。これをボタンホールフラップと呼びます。
手術時にボタンホールフラップができてしまうと、フラップ中央部の角膜上皮やボーマン膜が切り離されていないので、手術は受けられません。一度フラップを元の位置に戻し、数ヶ月後に角膜の回復具合を見て、可能であれば再手術を行います。
ボタンホールフラップは、マイクロケラトームでフラップを作る際に、厚さの設定を誤ったり、角膜表面の消毒や拭き取りなどが適切に行われなかった場合に起こる可能性があります。つまり、執刀医のミスで起こる合併症です。
フリーフラップ
フラップを作る際は、一部分だけつながったままになるヒンジという部位を確保します。フリーフラップとは、フラップを作る際にこのヒンジを確保することなく、完全に切り離してしまう合併症です。こちらも医師のミスがあった場合に起こります。
フリーフラップができてしまった場合は、元の位置に安定して戻すことができませんので、その場の判断でPRKなどのフラップを作らない手術に移行することもあるようです。しかし、切り取ったフラップの厚みは通常のPRKなどではがす角膜上皮のみの厚さよりも厚いので、PRKに移行して角膜を削っても、その後の経過に悪影響を及ぼす可能性もあり、このような応急処置が必ずできるとは限りません。
フラップ位置のずれ
フラップを作る際には、切る前に角膜にマーキングをして、フラップを戻す時に切断されたマークを合わせるようにして位置を調整します。このマーキングを適切に行っていないと、フラップを戻す際に位置が微妙にずれ、しわがよって不正乱視が現れることがあります。
Epithelial Ingrowth
「角膜上皮細胞の侵入」の項で、より詳しくお話ししていますが、エピスィリアル・イングロウス(Epithelial Ingrowth)とは、再生能力の高い角膜上皮が、フラップの切断面に侵入してくる合併症です。視力低下などを引き起こしますので、早期に発見してフラップ切断面を洗浄するなどの処置が必要です。
フラップを作ることで痛みが緩和されたり、視力が早期から安定するというメリットがある反面、以上のような合併症が出る可能性もあることは、レーシックを受ける前に認識しておく必要があります。
ただし、ボタンホールフラップやフリーフラップなどの重篤な合併症が起こるのはかなり稀な例で、熟練した医師の手術であればそれほど心配することはありません。また、Epithelial Ingrowthや術後の感染症などは、手術を受けた本人のその後の生活の仕方によっても発生率が変わりますので、合併症を引き起こさないためには患者自身の適切なケアも重要になってきます。
レーシックTIPS! >>
最新更新情報 (5秒ごとに切り替ります)

レーシックの技術的な情報や合併症に関する情報、汚bやその裏側など、レーシックをこれから受ける方、受けるかどうか考えている方の役に立つ話を取りそろえています。

フラップ作成による合併症
韓国レーシック事情と日本
レーシックに関する訴訟
内皮細胞とレーシック
年齢と近視の進行
訓練で視力は回復しないのか
遠視・乱視の矯正について
左右で度が違う眼の矯正
レーシックで老眼は治らない
術後も近視になる理由
ボーマン膜とは何なのか
手術費用と設備の関係
検査前のコンタクトは厳禁
角膜上皮細胞の侵入
層間照射と楓ハ照射
角膜ベッドとは
解説本=広告本という側面
美容外科系の眼科について
保険は使えない?
術後のメガネ・レンズ選び
飛行機とレーシック
手術とドライアイの関係
近視の戻り
ハロ・グレアはなぜ起きるのか
眼科専門医であることの意味
「グレア」「ハロ」とは
エキシマレーザーの特徴
