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フェイキックIOL


フェイキックIOL(Phakic IOL、ファキックIOLとも呼ばれる)とは、「Phakic Intraocular lens(有水晶体眼内レンズ)」の略で、目の中に人工のレンズを埋め込み、近視や乱視などを矯正する手術、またはそのレンズのことを言います。交換の必要がない、長期に渡って視力を矯正できるレンズを使用するため、永久コンタクトレンズとも呼ばれます。“有水晶体”という言葉がついている通り、水晶体を取り除く白内障手術の後に用いる眼内レンズとは違い、水晶体はそのままでレンズを挿入します。

フェイキックIOLは、レーシックなどのレーザーを用いた角膜屈折矯正手術では対応できない、強度の近視や乱視にも効果があります。また、レーシックを受けるには角膜の厚みが足りないという人でも、フェイキックIOLなら受けることができる場合があります。ただし、レンズを半永久的に挿入しておくことになるので、視力が変動し安定しない方は受けることができません。

手術の手順は、まず麻酔をして強膜(白目)部分を切開し、レンズを挿入して固定します。この時、レンズの種類によって固定する位置が違います。虹彩支持型と呼ばれるレンズは、角膜と虹彩の間にレンズを挿入して、虹彩の外側にレンズを挟んで固定します。後房型のレンズの場合は、折りたたんだレンズを虹彩と水晶体の間の液状の部分に入れて広げることで固定します。いずれの場合もレンズは小さく折りたたんで挿入するので、切開する幅はわずかで済みます。

レンズを固定し終わったら、切開部分を縫合して終了となります。フェイキックIOLでは、水晶体をそのままの状態にしておくので、レンズを取り出せば元の状態に戻すことも可能です。

フェイキックIOLで使用されるレンズは、高含水性のソフトレンズに使われているHEMA(ハイドロキシエチルメタクリレート)やコラーゲンなどの材質で作られており、体内に埋め込まれても毒性のないような設計がされています。

それでもレンズの安全性は気になるところですが、フェイキックIOLはヨーロッパやアメリカでも公的に承認されており、手術例も増えています。2005年に承認が下りたアメリカでの症例でも、手術を行った人の90%以上が、満足の行く矯正結果を得られたとのデータがあるそうです。ただし、3%ほどの患者は不適合によりレンズを摘出するか、白内障を引き起こしたとのデータもあります。

目の中にレンズを入れるということを敬遠する方もいるようですが、メリットも多い手術法なので、今後症例が増えて行くにつれて、レーシックとともに視力矯正手術の選択肢の一つとして普及していくことと思われます。

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