レーシック

「しっかりわかるレーシックの基本」でもご説明しましたが、レーシックとは、角膜表面を薄く切ってフラップと呼ばれる蓋(ふた)のようなものを作り、それをめくって角膜実質層と呼ばれる部分を削り、角膜の屈折を矯正する手術です。角膜の曲率を変えたり整えたりすることで、近視や遠視、乱視を矯正します。ここでは、レーシックを受ける際にフラップが作られ、またレーザーで削られることとなる角膜の細胞の層について詳しくご説明します。
レーシックでは角膜実質層を削りますが、この層を露出させるためにフラップを作ります。角膜実質層は、角膜の最も外側にある角膜上皮と、その内側にあるボーマン膜と呼ばれる二つの層の下にあります。この角膜実質層にフラップを作り、さらに露出した部分を削るわけです。
下の図は、角膜を細胞の層別に色分けした模式図です。図の中で示してある通り、レーシックのフラップは角膜上皮とボーマン膜の下を切って作られます。フラップは切り離さずに、レーザーで角膜実質層を削った後に元の位置に戻すので、角膜上皮とボーマン膜は失われません。

この点は、レーシック以前の主流だったPRKなどの手術や、エピレーシック、レーゼックとの大きな違いです。
PRKでは、フラップを作らずに角膜上皮をはがし、ボーマン膜の上からレーザーを当てて角膜を削ります。角膜上皮はいずれ再生しますが、ボーマン膜には再生能力がないので、レーザーを当てた部分のボーマン膜は失われます。
エピレーシックやレーゼックでは、角膜上皮のみのフラップを作り、ボーマン膜の上からレーザーで削ります。術後はフラップを元に戻しますが、このフラップは角膜上皮の新陳代謝とともにはがれ落ち、新たな角膜上皮が再生します。こちらもボーマン膜は失われ、その後も再生することはありません。
これに対してレーシックでは、角膜上皮もボーマン膜もフラップとして温存するため、術後も角膜細胞層の構成は変わりません。そのため、角膜の形が安定し、レーザーを照射した部分が露出しないので痛みもほとんどありません。視力も早くから安定します。これがレーシックの特徴です。
この特徴は、レーシックや、レーシックの手法の一つであるイントラレーシックやウェーブフロントレーシックも変わりません。ただし、エピレーシックは“レーシック”という名前がついてはいますが、フラップは角膜上皮のみで作るため、レーゼックなどと同じ部類の手術に分類されます。
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