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(4)レーシックが抱えるリスク


ここまで、他の矯正法や手術法との比較から、レーシックのメリットをご説明してきましたが、レーシックも100%すべてにおいて万全な手術法ではありません。技術や医療機器が進歩して、その安全性は高レベルで安定しているのですが、手術によって起こる合併症がいくつか存在しています。中には起こる確率はかなり低いものもありますが、大切な眼に外科的な手術を行うわけですから、わずかながらの危険性であっても、手術を決断する前にきちんと認識しておく必要があります。

暗い場所での視力低下

エキシマレーザーで角膜を切除するすべての手術法で起こる合併症に、暗い場所での視力低下が挙げられます。瞳孔は、暗い場所では開き、明るい場所では狭まり、目に入ってくる光の量を調節しています。暗い場所で物を見た時に、レーザーで削った範囲を超えて瞳孔が開いてしまうと、削っていない部分=矯正されていない部分からも光が入り、視力が低下します。

瞳孔の大きさは個人差があり、矯正の度合いによっても視力低下の度合いに差が出ますが、一般的にはレーザーによる屈折矯正手術後の夜間視力は低下するとされています。

ハロ・グレアの発生

ハロもグレアも、主に暗い場所で光る物を見た時に表れる症状です。ハロは光の周りに輪ができてぼやけて見える状態のことで、グレアは光が極度にまぶしく感じる症状のことを言います。

マイクロケラトーム(フラップを作る金属製の刃がついた機械)を用いてレーシック手術を行った場合、フラップのエッジの部分に当たった光が乱反射して、ハロやグレアの原因となることがあります。夜間に瞳孔が開くと、エッジ部分が視界に入りやすいため、より起こる頻度が高くなります。

術後時間が経つにつれて、フラップのエッジ部分の細胞もなだらかになり、徐々にハロやグレアは軽減されていきます。また、マイクロケラトームではなくレーザーでフラップを作るイントラレーシックなどでは、ハロやグレアが起こりにくいと言われています。

一時的なドライアイ

レーシックの手術では、フラップを作る際に角膜に通っている神経が切断されます。そのため、術後は神経が刺激を受けることで分泌される涙の量が減り、ドライアイの症状が出ます。

フラップが固着するにつれて神経が回復していくと、通常、1〜2ヶ月ほどでドライアイは改善されていきますが、あまりに症状が酷い場合には、ドライアイ対策のための治療が必要になります。また、切断された神経すべてが元通りに回復するわけではないので、手術前に比べると涙の量が減る可能性があります。

適正でないフラップの生成

技術の未熟な医師がマイクロケラトームでフラップを作った場合、フラップが完全に取れる、フラップの一部が破ける、フラップがずれるなどの失敗が起こる可能性があります。適切な対処をすれば手術を続行できる場合もありますが、処置が遅れれば手術が不可能になることも考えられます。

視力の不安定化

角膜の形状は、眼圧(眼球内部の圧力)の影響を受けています。眼圧は一日を通して一定ではないので、時間によって受ける圧力が変化すると共に、角膜の形状も変化しています。そして、手術によって薄くなった角膜は眼圧の影響を受けやすくなり、時間による形状の変化の度合いも大きくなります。そのため、角膜の切除量が多いと、手術を受ける前よりも視力が安定しなくなります。強度の近視を矯正するために、角膜を多く削った場合、角膜はより薄くなるので、この症状が出ることがあります。

ただし、手術前の検査で適切に角膜の厚みを計測し、充分な量の厚みが残るように手術を行えば、この危険性は低くなります。

近視の戻り

レーシックよりもPRKやレーゼックなどで起こることが多いのですが、手術後数ヶ月経ってから、視力が徐々に近視に戻ることがあります。と言っても、完全に元の視力に戻るようなことはなく、個人差もありますが、ある程度戻ったところで視力は安定していきます。

レーシックでは、角膜の厚みが確保されていれば再手術も可能なので、視力の戻りや矯正不足が認められた場合は、もう一度フラップをめくり、エキシマレーザーによる切除を行います。病院によっては、再手術を無料で行っている場合もあるようです。

レーシックのリスクをどう考えるか

これらのリスクの内、「適正でないフラップの生成」などは経験や技術、知識の足りない医師でなければ、現在では起こる確率の低いリスクです。しかし、「一時的なドライアイ」や「暗所での視力低下」などは、程度に個人差はあっても、術後ほぼすべての方に見られる症状です。

レーシックによって近視や乱視などが矯正されれば、裸眼で快適な生活を送ることができますが、ここで説明したようなリスクは覚悟しなければなりません。もし、少しでも「レーシックを受けたら後悔するのでは…」という気持ちがあるのであれば、無理に手術に踏み切ることはせず、まずはもっとレーシックについて知ってみるのが得策です。なぜならば、レーシックは外科的な手術法で、一度切除した角膜を元に戻すことはできないからです。手術を受けた後で後悔してもどうにもなりませんから、リスクについても納得した上でなければ、レーシックを受けることはおすすめできません。

逆に、これらのリスクをきちんと理解して受け止めた上で手術を受けるのであれば、裸眼での快適な生活の素晴らしさとリスクを、素直に受け止めることができるはずです。

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